2011年5月31日火曜日

ナトリウム・モンモリロナイトのこと

 小出裕章先生が、5月31日 福島第一原発からの海洋汚染についてのお話しのなかで ゼオライトとバーミキュライトのことをおっしゃっています。

質問・(6月2日から新たに浄化装置を稼働させ、ゼオライトにセシウムを吸着させるそうだ。効果は?)

小出先生・私はバーミクライト(バーミキュライト)がいいと思う。これは、ありふれた安価な土壌改良材だがセシウムにはいい。ゼオライトもやらないよりはいい。ただ今現在のセシウムを全部捕まえようとすると、どちらにしても大した効果はない。

小出裕章 (MBS): http://t.co/WtMhcrO #genpatsu #ocean


バーミキュライトはボディクレイで使っているスメクタイト(モンモリロナイトなど)と同じ、交換性陽イオンが多い粘土鉱物です。周りの環境に応じて結晶の外にある他の陽イオン(セシウムなどもこれにあたる)と交換して、ねんどの結晶に取り入れます。


(※最近、バーミキュライトにアスベストの成分が含まれていて危険というツイートをみました。この情報通りだとしても、危険かどうかは私には判断できませんが、モンモリロナイトの構成ミネラルにはアスベストは入っておりません。)


交換性陽イオンの量は 粘土鉱物100g当たりの交換性陽イオンのmg当量数(CEC)で表されますが、その数値は、バーミキュライト100~150,スメクタイト80~150当量/gと云われます。

スメクタイトの1種、モンモリロナイトのうち、特に日本で採れるナトリウム・モンモリロナイトは、交換性陽イオンのうち、交換しやすい1価の陽イオンを多く含んでいるので、交換する力が大きいのです。(ボディクレイはこの力を利用しています。)

大昔に火山の爆発で隆起した日本列島には 各地でこの粘土が算出されます。

粘土は採掘される場所や層によって、元素の構成が多少変わってくるので、CECの値もかわります。

同じナトリウム・モンモリロナイトでも、産地によって、例えば山形と新潟は相当に違います。


スキンケアや治療などによく使われてきたフランスのモンモリロナイトやモロッコのガスールは、交換力がやや小さい2価の陽イオンでできています。


天然ゼオライトは すでに一時福島でも使われたと云うニュースがあったけれど、粘土とは別の鉱物で日本名は沸石という鉱物です。日本に広く分布しており、仙台でも採れたので、それを使ったそうですが、結晶には細孔があって、そこに他のものが入り込んでくる性質を利用したのだと思われます。

通常は、分子ふるいや触媒に利用されているようです。

(洗濯洗剤などにも配合されていますが、あれは天然でなく人工ゼオライトだと思います。)


小出先生もおっしゃってるように、それほど効果はないのではないか。

それに比べると、上記粘土はより力が強いと思われますが、増え続ける高濃度の汚染水の浄化にどれくらい力が発揮出来るか、、、でも、やらないよりマシではないでしょうか。

試して見る価値はあると思います。


モンモリロナイトに関わって十数年、考えていたより実際は、意外と、意外と、すごい!と何度も驚いた経験があるので。