2010年9月20日月曜日

天然生活11月号に

 今発売中の、『天然生活』11月号に掲載されています。


家しごと、「ていねいに」と「かんたんに」

このテーマは私には全然合わないとお断りしたのですが、断る電話をしているうちに、なんだか私でもいいような感じになって、受けてしまいました。


自覚としては、怠け者で、手抜きばかり、と思っていたけれど、楽するためのこだわりや美味しいものを作るこだわりは、もしかしたら、人並み以上なのかも、、、と改めて感じたことでした。


ボディクレイは怠け者や手抜きしたい人にぴったりのスキンケアだし(でも、効果は多分他のどんな化粧品にも負けないでしょう)、キッチンスクレーパーと竹布の布巾をつかう洗いものは、洗剤や石けんなしで、楽して簡単に洗いものができるし、、、


私が開発してきたものも、まさに「かんたんに」というのにぴったりだったんです。


「かんたんに」と「ていねいに」はむしろ両立するから、わたしでも、まんざら人選まちがってなかった?かも。


それより、びっくりは我が家の圧力鍋が表紙に使われていたことです。使うかも~とは聞いていたのですが。


以下、わたしのtwitterにつぶやいたこと。

40年近くうちの台所で 健気においしいご飯をつくってきたお鍋。

取材の時、はじめて写真に撮られたと思ったら、思いがけなく表紙になって本屋さんに並ぶなんて。


ご苦労様、晴れ舞台だねって感じかな。

お世辞にもきれいじゃないけど、うちにはお似合い。


今月の『天然生活』には7周年記念の付録がついてます。中川政七商店の花布巾。

前々から素敵、と思っていて、買ったこともある。


それに、プレゼントに応募したら、ボディクレイの入浴剤があたるかも。

http://www.chikyumaru.co.jp/tennen/


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商売の楽しみ その4 らくてん通信より

千晶さんの書簡、とても面白く楽しくよみました。


やっぱり、動くと思いがけない人にあったり、面白いことがおきるものですね。

今回の千晶さんの旅のはなし、なんか懐かしい感じ。

青春18切符やヒッチでの移動、夜は知り合いの知り合いだったりする初対面のお家に泊めてもらったりして、、、わたしも昔はよくそんな旅をしたので、色んな出会いを思い出してしまいました。

さすがに今は、もう、あんな元気な旅はできなくなってしまった。

千晶さんには、この調子で日本各地にでかけて、また面白い報告を聞かせてほしいです。


今年の夏休み、私の方は、飛行機と新幹線で鳥取、岡山方面へ。

2月は私だけだったので、連れ合いのじゅうべーもいっしょに行けたら、と思っていたので今回は一緒です。


せっかく来るんだったら、ということになって、鳥取でワークショップ、倉吉では若い農家の人たちとの集まりにでることになりました。


鳥取の水越屋さんは、2月に千晶さんや日下部さんと行った最初の豆ランチパーティ以降、毎月ランチパーティを続けておられるそうで、私は、<ねんどできれいになろう。>というテーマで、ねんどの話とオルタナティブな使い方を。

ねんどはもともとおどろきの素材なので、色んなびっくりの話があるから、関心がない人にも、興味を思ってもらいやすいのです。オーナーの和田さんはじめ、みなさんが興味津々だったので私も楽しかったです。


ここの豆ランチパーティの料理は全部お店の人が作ってくれていて、種類も量も多くて、食べきれないほどでした。それと会費が考えられないくらい安い。

いい会だったし、お店も順調そうで一安心だったのですが、それがちょっと心配でした。つまり、サービス良すぎ。

私的なシーンでは、気前の良い人は、けちじゃないと言うことでみんなの人気者になるかもしれないけれど、商売の場面のツーマッチなサービスは むしろマイナスだろうと思うのです。きびしい見方をすれば、サービス過剰は、商売としての自覚と自信が不足しているとも言えるから。

少なくとも、料理の量は、次回からはすこし少なめにした方が、また食べたいって気になるよ、とアドバイス。


翌日の倉吉では若い農家の人たちとの話し合いが企画されていて、またまた大勢の人に会うことができました。


農業に関しては、私は消費者の立場でしかないけれど、東京では いまや有機や無農薬の野菜を扱う店や日曜市、ファーマーズマーケットが当たり前みたいにある、無施肥の農産物だって珍しくない。と言う話をしたら、彼らが驚いたことに逆にびっくりしました。

考えてみれば当然だけど、今の時点でも、試行錯誤しながら有機農業に切り替えようとしている人たちがいるわけで、彼らにとっては、30数年前、西荻・ほびっと村に初めての無農薬野菜の八百屋ができた頃の話は、昔話ではなく現実的な今の問題としてとても関心があるようでした。野菜やお米の流通をどうするか。


うちに帰ってから、長本兄弟商会のナモがかいた「みんな八百屋にな~れ」(就職しないで生きるには、シリーズ・晶文社)を本箱から引っ張り出して読み返してみました。

インド帰りの三省とカリフォルニアから親子3人で帰ったばかりのナモがお酒を飲みながら盛り上がって、話のはずみで やろうときめた無農薬の八百屋。

無農薬の野菜を作ってる人も殆どいない頃のはなし。

全くの素人、その上文無しだった二人が 無鉄砲に、その夢を実現させていく奮闘ぶりは、今読んでも面白い。

当時はこんな夢みたいなことをあまり迷わずやろうとする人たちが多かった気がします。自分たちが思い描く未来がいつかやってくるような、どこか楽観的な気分だったからでしょうが。


都会では今や無農薬野菜も色んなところで手に入れることができます。

日本は狭いし、TVや新聞で同じレベルの情報が日本中に行きわたっているから、うっかりすると同じような生活をしているような気になるけれど、違うのですね。


倉吉でも、その後行った岡山でも、昔のほびっと村みたいなスペースを作りたい、といってる人がいて、なるほどなあ、と思いました。


それぞれが点在するより、志が同じ仲間が集まって共同でそういう場=八百屋や食堂や本屋や学ぶスペースがある=を作るのは、人が少ない田舎であればあるほど求心力ができていいかもしれない。


倉吉もその後たずねた総社も 風情があるとても美しい町並が残っているんだけど、驚くくらい空き家だらけ。なんとかできないかと思うけれど、個人ではなかなか難しそうです。

小沢さんの政策をききながら(民主党の代表選の演説で、地方に財源を移行して活性化するという)手遅れにならないうちに、早く何とかしてほしい、と思っています。


総社の町の、空き家が並ぶ昔の商店街の一角で、昔 隣に住んでいた'とろん’がお店をやっています。両隣は空き家だし、人通りも殆どありません。

暑くて、冷房もないのに それでも、毎日色んな人が訪ねて来ます。

かき氷とカレーやチャイのほか、友人たちが作った何やかや、いろんな雑貨が置いてありますが、みたところあまり売れそうでもなく、多分すべてのお客は、要するに彼らに会いに来ているんです。

家賃も殆ど掛からないし、彼らは、普通だったら遊びに来るだけの人が、お店のお客にもなってくれるなんてラッキーと思ってるに違いない。


お客は商品を買いに来るんじゃない、やってる人にあいに来るんだ、とは昔からよく言われてると思うけれど、彼の店は文字通りそのまんま。


もともと少しの現金で楽しく暮らす名人だから、全然困った感じではないんだけど、子供の保育料の話を聞くと、さすがに、わたしも短期的利益をだすアイデアを提案したくなってしまう。


みんなの役に立つような消耗品で、なくなったらまた買いに来たいようなもので、あなたが気に入ってるものを置いてみたらどう、とお節介を焼きたくなってしまいました。


今回の旅でみたものは、今の私の周りや東京では見えないようなものだったので、興味深かったです。


千晶さん、わたしも小売りをやっていた時は、いつもぎりぎりだったから、えらそうなことは全然いえないんですよ。わたしも同様に説得力ないと思います。


何度も同じことを言ってると思うけれど、小売りは経済的には一番きびしいパートです。でも、個々人のお客との関係を楽しめる一番面白いパートでもある。

工夫のし甲斐もあります。